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zoom RSS 「本廟寺焼亡」/井沢元彦(講談社文庫)

<<   作成日時 : 2010/09/06 02:07   >>

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 高校時代に読んだ「本廟寺焼亡」/井沢元彦。読み直しました。
 井沢氏が「猿丸幻視行」で江戸川乱歩賞取って、直後の作品です。

 本廟寺という宗教組織のお家騒動に伴う、殺人事件のフーダニット(犯人探し)なんですが…私が興味引かれたのは、モデルとなった寺と、作品内で展開される、真宗談義。

 モデルとなったのは…浄土真宗大谷派(東本願寺)ですな。1970年代から、お家騒動があったんですよね、あそこは。
 皇室と繋がりあったり、長男やその息子が離脱して別の派を作ったり…してたみたいですね。


 お話だから、少しはオーバーに書かれているかも知れないけど、それでも、法名(戒名)のランクとか、納骨のランクとかがあって、「地獄の沙汰も金次第」「坊主丸儲け」な世界でさ…宗祖・親鸞上人が妻帯して子孫を残してしまったが為に、日本人の好きな「血統主義」に否応無く飲み込まれてしまった辺り…単なるフィクションではないんだよな〜。
 あと、親鸞上人の「逆転の発想」がね、あらためて斬新なものだったんだと気付かされましたよ。

 本来仏教と言うのは、自分で修行し、悟りを開く=「超越者」になることを目指すものだったんだけど、浄土系の教えは全く逆で…自分が修行なんかで欲を捨てたり、悟りを開くことなどできないダメダメな人間なんだ、サイテー人間なんだー!ってことを悟って、そのうえ(言葉は悪いけど)開き直って、「悟りを開いた阿弥陀様に救っていただこう!」と言う考え方なんだよね。

 これってソクラテスの「無知の知」と同じ方法論ですよね?
 「生きているうちに一度でも南無阿弥陀仏と唱えたことがある人間ならば、必ず浄土に生まれ変われる」が基本コンセプトなので、回数とか、ボランティアや施しをたくさんしたから…とかってのは関係ないのだ。
 これが「善人なおもて往生す。いわんや悪人おや」ですな。

 更には、お経の文字が読める必要もない…「ナモアミダプツ」という音さえ覚えて、唱えられたらよいわけで……そりゃあ、文字が読めなかった農民や、最下層の身分の人に爆発的に広がったのも、当然ですわな。これ以上簡単な教えは、ないもんね?
 逆に、簡単すぎるから他の宗派からは「門徒」と…見下げられて呼ばれる訳なんだけどさ。

 でも、そう言ってる他宗派の信徒が、自分の宗派の教えをどれだけ理解出来てるかってのは、謎だよね?
 ご本尊の名前も知らないって人の方が、多いんでないの?

 こーんなことを思いながら本を読み直しました。…懐に次男を抱えながらですね(爆笑)。
 ええ、授乳の間退屈だったので、本を読んでたんですよ。てへっ。




本廟寺焼亡 (講談社文庫)
講談社
井沢 元彦

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