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zoom RSS 「殺人犯はそこにいる」/清水潔(新潮社)

<<   作成日時 : 2014/09/07 10:35   >>

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 新聞の書評で見て、興味が湧き、図書館で借りて読みました。
 
 何年か前…「足利事件」で逮捕された人が、実は冤罪だったと釈放された…ってニュースを目にしたときは、「ふーん」としか思っていなかったのですが、それがこの本の著者・「清水潔」さんの徹底した裏取り取材と追求のおかげであったとは…ちょっと驚きました。

 更にこの著者は、「桶川ストーカー殺人」の真相も炙り出したことがあるテレビマン…おお、桶川なら何となくわかるぞ!
 鳥越さんがやってたアレだよね!? 女子大生がストーカー被害にあい、その末に殺されて…しかも犯人もどこぞの湖で自殺。
 女子大生は水商売のバイトをしてて……とか報じられてたアレ。鳥越さんはキャスターで…テレビで取材結果を伝える人だけど、その裏ではディレクターとかが取材に奔走してた訳で…そうかそうか、この人がねっっ!?

 この本では…「足利事件」だけを取り上げているわけではなく、「足利事件」を含む北関東……栃木県足利市、群馬県太田市という隣接する2市で、1979年〜1996年までの間に、4歳から8歳の5人の少女が誘拐または殺害されているという、重大事件全体を追っています。
 このうち、最後の1996年の「太田市太田市パチンコ店女児連れ去り事件」は、テレビの公開捜査などで度々取り上げられたので、ご記憶の方も多いかと思います。確か七夕の日でしたよね。両親と共にパチンコ店に行った横山ゆかりちゃん(当時4歳)が連れ去られた事件。
 店のベンチシートに、男性と隣り合って座る、ゆかりちゃんの防犯カメラの映像が公開されたりしていました。

 この事件や「足利事件」を含む5件の幼女誘拐・殺害事件を精査。
 その過程で、「足利事件」の犯人として逮捕された菅家さんが犯人であっては『おかしい』、犯人であっては『都合が悪い』…ので、菅家さんが犯人ではない証拠を積み上げた結果、菅家さん釈放に結びついた……ということなんです。
 では何故「菅家さんが犯人であっては『おかしい』、犯人であっては『都合が悪い』」のか……それは、連続している幼女誘拐・殺害事件には、共通する特徴の、ある男が浮かび上がってきていたから。
 著者が「ルパン」と呼ぶその男を……著者はほぼ、確定しているようです。

 だったら早く、逮捕しろよッッッ! 警察ッッ!
 ……と、多分この本を読んだ人は、誰しも思うことでしょう。

 しかし、警察は逮捕に踏み切れないんです!!

 というのも……菅家さんが逮捕された時、唯一の証拠とされたのが…「DNA」鑑定!
 当時最新技術だったこのDNA鑑定を盾に、菅家さんは逮捕され、裁かれ、投獄されました。
 しかし、このDNA鑑定が間違っていたとしたら……??

 他の数々の目撃証言や実証実験、その他の証拠を積み上げた結果、菅家さんが犯人である「ハズがない」と結論。
 唯一の証拠となるDNAの再鑑定を申請するも…中々許可は出ず。
 そして日本テレビはどうしたか?
 ニュース特集で足利事件のキャンペーン報道を開始します。自供の矛盾点やDNA鑑定の問題点などを指摘、DNA再鑑定の必要性を訴えたんです。
 
 ここでやっとDNAの再鑑定…となるのですが、なぜこんなに時間が掛かったか?

 それは、菅家さんを「犯人」にした当時のDNA鑑定技術と、同じ手法で犯人を確定し、しかも既に死刑を執行してしまった事件があったから。
 1992年、福岡県飯塚市で発生した「飯塚事件」。
 菅家さんのDNA再鑑定を認め、もしも真犯人のDNAとは一致しないという結果がでたとしたら…?

 裁判所側にも警察側にも、こういう後ろめたさがあったんですね!
 当時のDNA鑑定に使われたマーカーは、現在では欠陥マーカーとして認められています。
 もしかしたら「飯塚事件」も冤罪だったのかも……と考えると恐ろしいですよね。

 テレビドラマでも、最近当たり前に登場するこの「DNA鑑定」。でも、技術の進歩によって、過去の鑑定結果が覆されることが有りうるなんて…考えたこともありませんでした。導入当初は、「これで冤罪事件がなくなる!」とまで言われた最新技術だったのに!!

 一人でも多くの人に、是非とも読んでいただきたい本です。
 一日も早く、「ルパン」の正体が知りたい!! そして法の裁きを受けさせたい!! と思うことでしょうから!!




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