「QED 竹取伝説」/高田崇史(講談社ノベルズ・文庫)

 これは…シリーズ第六弾でいいのかな? 
 今度は「かぐや姫」こと「竹取物語」に隠された真実に迫ります。


 もともとあの時代に書かれたとは思えないくらい、想像力豊かな伝奇物だよな…とは思っていたのです。様々な解説などを読むと、その影に暗喩された貴族達に当世一流の皮肉が見え隠れしている…らしいことも知ってはいましたが…そうか、「鬼」かぁ。

 お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、タタルさんの歴史論には必ず「鬼」が登場します。
 「鬼」=「まつろわぬものたち」=「被差別民」。
 基本的人権の尊重だの、男女平等だの…こんな思想は戦後のものです。それまで日本では、ずっと支配する者とされる者、差別する者とされる者の二極に人間は分けられてきました。
 そういう時代のほうがずっと長かったわけです。現代の感覚で、歴史を掘り起こしてみたところで、隠された意味が解けるはずもない。価値観が全く違う…いわば「異世界」の文化なのですから。
 私たちの目にかかった「現代の価値観」というベールを、タタルさんはいつもいつも見事に剥ぎ取ってくれます。それが…読んでいて快感に繋がるのでしょうね。


 QED 竹取伝説

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