「柿本人麻呂 いろは歌の謎」/篠原央憲(三笠書房)

 「猿丸幻視行」の後、参考文献として読みました。



 どっちが先なのかなあ…? 1986年に初版が出ているのですが。
 いろは歌と万葉集の作者・編者について、独自のアプローチを試みています。
 タイトル見ても判るように、双方の作者・初期編者として柿本人麻呂であると断じているのですが。

 井沢氏の論と違うところは「猿」と「人」の変遷の順番。井沢氏は猿→人ですが、この本では人→猿となったとしています。
 私としては井沢氏の論を採りたいですね。
他の論理は私も概ね賛成の立場です。人麻呂が皇位継承問題に巻き込まれて流罪→水刑死。その間にいろは歌を作り続け、万葉集の編纂をした…というところは。ただ、それがすべて、彼一人だけの仕事だったというのはちょっと無理があるかな?とは思います。彼の無念を知る人間たちによって語り継がれ引き継がれた仕事であり作品…というのが妥当かも。
 日本の歴史の草創期に、人知れず埋もれていった多くの人々。ある者は殺され、またある者は自殺を余儀なくされ、死んでいった名も無き人々。人麻呂のように名が残せた者は、まだ幸いかもしれない(たとえ正史にその名が無くとも)。
 歴史の闇を紐解きたくなったときに、是非ご一読を。…そして、その前後の天平期の日本史の闇に、興味を持っていただければ幸いです。
 

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