「パーフェクト・ブルー」/宮部みゆき(創元推理文庫)

 宮部氏の長編第一作目の作品。しかし、つらい話ですね、コレ…。


 高校野球のスター選手であった諸岡克彦…しかし彼はある夜殺され、全身にガソリンをかけられ焼かれた。
 家出中で、彼の弟である諸岡進也は、両親の依頼を受けた蓮見探偵事務所の調査員・蓮見加代子との帰宅途上で、その現場に出くわしてしまう。
 その後、克彦のかつてのチームメイトでもあった山瀬浩が自殺…実は山瀬は以前、克彦に宛てて脅迫状を出したり、打者人形を焼いたりしていたという。
 山瀬の遺書による告白で、一件落着したかに思えた事件だったが、今度は進也が何者かに拉致され、救助に向かった留守の間に、蓮見探偵事務所は何者かに侵入され、荒らされる。
 克彦の死因に疑問を持つ進也、そして蓮見探偵事務所の面々…彼らは克彦の事件を再捜査することに決めた。


 衝撃的な事件の様相に、ぐいぐいひきつけられてしまいます。
 え? お前は「進也」で引き込まれたんだろうって? ええ、否定はしませんよ……その通りです! 小生意気ですばしっこくてきかん気で…あああ、ツボに入りまくり(爆笑)!
 ……とまあ、それは置いといて…この話、実は語り手が人間じゃないところがミソ! 未読の方のために伏せておきますが…これは新しい切り口ですねえ。この蓮見探偵事務所のお話は、短編集も出ておりまして、そちらも同じ語り手。こちらもあわせてご一読を。
 人間以外…といえば、も一つ、度肝を抜く語り手がいましたねえ(爆笑)。「長い長い殺人」だったっけ? あれは本当に驚いた。どうしてソレに語らせようと思ったかなあ…と、その発想に驚きました。

 この話に関して言えば、真相が一転二転三転…。新事実が出てくるたびにこれでもか、これでもかっという感じで結論が変わります。あと「幕間」として挿入されるとある会社内部での極秘の話が、この話全体にどう繋がってくるのか?というのが見ものですね。

 そういえば…誰かが評論で、「なぜ宮部作品には17歳の少年が出てくるのか?」みたいなこと書いてらっしゃった方がいましたよね? あれちょっと読んでみたいんだけどな…どの本だかご存知の方、情報下さいませ。



パーフェクト・ブルー

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