「狼の紋章」/平井和正(角川文庫)

 「幻魔大戦」「アダルト・ウルフガイ」シリーズの平井和正の作品。
 私がこれを読んだのは…もう20年も前ですか(汗)。「ファンロード」という投稿雑誌に、当時デビュー前の大橋薫さんが、「オススメ本」としてイラストハガキ投稿していたのを見たのがきっかけです。その後彼女は1986年前後に徳間書店が創刊した「少年キャプテン」という雑誌の創刊号で「狼の紋章」(別バージョン)でデビューしました。が、これはまた別の話。

 主人公・犬神明は幼い頃カナダの森で狼に育てられた過去を持つ。そして彼の体には母から受け継いだワーウルフ…人狼の血が流れていたのだった。
 彼は何とか人間社会に馴染み、中学に通うことになるが、その学校は「悪徳学園」との別名を持つ悪名高き不良学校であった。
 転校早々番長に目をつけられる明。そして彼らの担任の美人教師・青鹿。
 彼女をめぐって、二人の戦いが始まる。
 
 今読み返してみると「そんな中坊おるかい!」と思わず凶悪なツッコミを入れたくなるような輩が多数登場するのですが(爆笑)、でも当時の(フィクションの中での)荒れてる中学校のイメージっていうのはこんな感じで表現されていたんだろうな…と、少し郷愁さえ誘います。
 この後、「狼の怨歌」「狼の鎮魂歌(レクイエム)」と続くのですが、私は「アダルト・ウルフガイ」シリーズは挫折しました。斜め読みしたときにものすごく違和感があって…後になって思ったことは、書き方が違っていたということ。「ウルフガイ」シリーズは三人称書きだったのに対し、「アダルト」の方は主人公・犬神明の一人称書きだったんです。そう! 三人称書きだからこそ、明のストイックさ・無口さがかっこよさに見えるんであって、一人称で書かれると、彼の心情が見えてしまう分、かっこよさが半減するんですね。ショックでした。以来、一度も「アダルト」の方は開いてもおりません。
 そうそう、白泉社「LaLa」でデビューし「火肖の月」という漫画を連載していた「平井摩利」氏は、平井和正氏の娘さんです。…「ぱふ」かなんかで親子対談してたかな?

 しかし…あの頃同級生だった明君が…今では20も年下なんだもんなぁ…。時の流れって
残酷だよなぁ…(爆笑)。



狼の紋章

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