「魔界都市《新宿》」/菊地秀行(ソノラマ文庫)

 言わずもがな、菊地秀行氏のデビュー作。
 これはたしか…つくば万博に行ったときに(古っ!)、東京の本屋で購入して、厄介になっていた従兄弟の家で読んだ覚えがあります。
 そしてこの後、菊地氏のジュブナイルにどっぷり浸かった…思い出深い一冊。
 アニメにもなったし、有名な作品でしょう。

 20世紀末、東京・新宿を襲った直下型地震…のちに「魔震(デビル・クエイク)」と呼ばれるそれは、新宿区のみを他の区から切り離す巨大な亀裂を生み、復興のために差し伸べられたあらゆる手を拒み、やがて新宿を、流入してきたエスパー崩れやサイボーグ、犯罪者などの巣窟『魔界都市』へと変えてしまった。
 続発する怪奇事件、跋扈する魑魅魍魎…。
 念法の達人である十六夜京也は、愛用の木刀一本を携え、その地を踏んだ。地球連邦主席の暗殺を企てた魔道士レヴィ・ラーと戦う為に…。

 「デビュー作にはその作家の全てがつまっている」とはよく言ったもので、この作品の中に、のちの菊地文学(?)の主な要素がぎゅ~っと凝縮されています。
 「魔界都市《新宿》」「魔震」はいうに及ばず。魔道士だの人間離れした体術だの、怪物だの…。
 ジュブナイルですから、さすがにお色気はございませんが。
 あと、この作品中、実はのちに主役級の人気を博する登場人物が既に出てきているんです。
 その名もDr,メフィスト! 
 しかし…その初登場では…あそこまで人間離れした美貌と謎を秘めた人物ではございませんでしたので、あちらがお好みの女性陣にはあまりお勧めは出来ませんが(まあ、そこまでのファンの方なら既にご承知か?)。

 まあ、ちょっと細かい時間的ズレは仕方ないとして…すこーしだけ、「魔王伝」とリンクする部分もあるにはあるんですよ。たしか「魔王伝」の中に「木刀一本を携えて世界の存亡をかけて戦った若者がいた」みたいな記述があったと思います。何巻かは忘れましたが。
 まあ、「これが菊地秀行の原点!」と云う作品ですので、読んでみてください。

先ごろ、完全版が出ました!! 「魔宮バビロン」も収録しておりました!(2007年3月追記)







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