「いま、危険な愛に目覚めて」/栗本薫:選 日本ペンクラブ編集(集英社文庫)*注意!

 タイトル見てひいたアナタ! は、以下の文にお目を通すこと無かれ!
 タイトルを見て「おおっ!?」そして、選者を見て「はは~ん(ニタリ)」とした方だけ、どうぞお入り下さい。







 いやあ、大胆ですねえ、集英社も(笑)。1985年当時、まだ「ボーイズ・ラブ」などという言葉も無く、そういったある種の嗜好の女性方にむけて書かれた小説群は「耽美小説」あるいは、その代表雑誌の名を関して「ジュネもの」と呼ばれていた時代に! こんなものをねえ……時代を先取りしてますねえ。


 ここを読んでいらっしゃる方は、多分に、栗本薫氏と「耽美小説」、あるいは雑誌「ジュネ」との結びつきや関わりについてはご承知の方々でしょう。
 ご存知で無い方は殆どいらっしゃらないとは存じますが…一応解説。
 栗本薫氏は推理小説、伝奇小説、そしてヒロイックファンタジー小説などを数多くご執筆の小説家(女性)です。
 代表作は「伊集院大介」シリーズ『天狼星』、「栗本薫クン」シリーズ『ぼくらの時代』、伝奇小説『魔界水滸伝』、そして先ごろ100巻を越え、いまだ勢い衰えぬヒロイックファンタジー超大作『グイン・サーガ』など。
 各方面に関する知識の豊富さもさることながら、様々な分野に才を発揮(三味線・長唄・ロックバンド・舞台脚本ほか)しつつ、一年で莫大な量の新刊(いや、某妖怪小説家と比べたら、ほら…)を出版するという…誠に天才的かつ超人的な才の持ち主なのです。
 その栗本氏。『ぼくらの時代』にて推理小説界にデビューすると同時に、『中島梓』というペンネームで評論家としてもデビューなさっています。そしてその中島梓名義で…上記の「JUNE」と言う雑誌に「小説道場」なるコーナーをお持ちで、長年後進の指導に尽力なさっていたことがあります。……ええ、現在の「ボーイズ・ラブ」小説の原点がここにあるのです。
 今、「ボーイズ・ラブ」界でご活躍の方で、ここの道場ご出身の方は多数いらっしゃるはず…。秋●●おさんでしょ? 鹿●槙さんでしょ? ……そう、やっぱり栗本=中島氏にしごかれただけあって、元門下生の方々は文章力と表現力が違う。

 さてさて、そんな栗本氏が選んだ「危険な愛」小説…といえば、もう、これしかないでしょう!?
 この文庫には
 「片腕」 川端康成
 「踊る一寸法師」 江戸川乱歩
 「侏儒」 栗本薫
 「獣林寺妖変」 赤江瀑
 「前髪の惣三郎」 司馬遼太郎
 「会いたい」 筒井康隆
 「カイン」 連城三紀彦
 「公衆便所の聖者」 宇能鴻一郎
 「星殺し」 小松左京
 「日曜日には僕は行かない」 森茉莉
 が収録されています。「おや?」っと思う作家もいますが、「この人は入ってなきゃ!」という作家は当然入っていますでしょ?(1985年前後のね)
 ちなみに森茉莉氏は、かの明治の大文豪にして陸軍軍医・森鴎外の長女です。この方の作品は…とにかくきらびやか~なお名前の美少年がたくさん登場しますね。もう、そのお名前だけでお腹いっぱい~ってなカンジの(爆笑)。
 今や大人の恋愛小説書きとして有名な連城氏の「カイン」。これはサスペンスタッチで面白い。
 赤江氏の作品は有名な代表作。
 「前髪の惣三郎」は大島監督が後に映画化した「御法度」の原作。

 まあ、最初から「ボーイズ」作家としてデビューし、「ボーイズ」路線一本の生え抜きの作家さんの、今風の自由で気軽なノリのボーイズものにちょっと飽きたな~って方に、おススメしたいですね。

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