「R.P.G.」/宮部みゆき(集英社文庫)

 大学時代、友人に誘われて小劇団の芝居を観に行ったことがある。「M.O.P」という、演出家で脚本家のマキノノゾミ氏の主催している劇団の…幕末の志士や新撰組を題材に採った芝居である。


 その後いくつかのM.O.Pの芝居や、そのほかの小劇団…劇団そとばこまちや近松座、市村正親氏主演の芝居…特に「クリスマスキャロル」は圧巻でした…や、蜷川由紀夫演出の「真夏の夜の夢」「王女メディア」、そして市村氏と篠原涼子が知り合うきっかけとなった「ハムレット」…など、一時は毎月のように関西版「ぴあ」を買って、芝居をチェックしまくったものだった。

 さてこの小説、NHKで後藤真紀出演でドラマ化もされた作品なので、ご存知の方も多いかもしれない。
 とある新興住宅街の建築中の建売住宅内で発見された男性の死体。その数日前に起こった女子大学生殺人事件とそれは、実は奇妙な共通項があった。浮かび上がってくる二人の関係。更に男性の背後に浮かび上がってくる、『ネット家族』の存在。
 そして被害者の男性の一人娘…一美は、父と一緒にいたという不審人物を特定するために、警察署の取調室のマジックミラーの向こうに座ることになる。


 この話は取調室とその隣室との間で進んでゆく。まるで一幕劇のようだ。実際、一幕劇として脚本にしても十分通用すると思う。読後に「やられた!!!」と叫び、もう一度本編を読み返したのは、私だけではあるまい。私としてもこんなことは、我孫子武丸氏の「死にいたる病」以来無かったことだ。
 
 ちなみに、この作品には、「クロスファイア」の石津ちか子刑事と、「模倣犯」の武上刑事が出ている。そういう点ではこの2作品も併せて読めば、なお楽しめる作品である。


R.P.G.

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