「名探偵神津恭介①悪魔の口笛」/高木彬光(ポプラポケット文庫)

 少年少女向けのジュブナイルです。高木氏の作品としては異色ですよね。
 私もこれを、児童文学の棚で見つけて驚いて……思わず借りてきてしまいました。
 でも書かれたのは昭和27年だそうで…デビュー後4年目くらいの頃の作品です。
 
 謎の言葉を残して、神津恭介の目の前で死んだ男…彼の言葉と写真を手がかりに、神津恭介は「園真理子」を探す。彼女はまだあどけない少女で、両親の死後、世界的オペラ歌手である叔母に引き取られていた。
 彼女たちの身辺を伺う、謎の人物の影。それは不気味な口笛と共にやってくるのだった。

 言葉遣いが古いので、読んでいて「少年探偵団」を思い出してしまいましたが…まあ、この当時はみなさんこんな文体だったのでしょうね。それとも…高木氏が江戸川乱歩の肝いりでデビューしたこともあり、多少の影響は受けていたのでしょうか?
 怪人Xの正体は…ちと荒唐無稽ではありましたが(笑)、まあ、この際ジュブナイルだということで目をつぶりましょう。
 あの人物の裏切りに次ぐ裏切りで、サスペンス色が増してはいましたね。
 イラストも良かったです。初版ではどうだったか存じませんが、この文庫ではHACCAN様が挿絵を担当されています。
2005年に新装発行した本ですからね。トーンを使わず、白黒の濃淡で描かれたイラストは、墨絵か木版画を思わせます。しかも神津恭介が美青年なんだ~~! 新たな神津恭介像が増えましたね。
 松下君が登場していないのが残念ではありましたが…でもその代わりの探偵助手はちゃんといますので。


 ああ、神津恭介シリーズ、もう一度読み直さないとなあ…。

悪魔の口笛

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