「ひまわりの祝祭」/藤原伊織(講談社・講談社文庫)

 先ごろ、亡くなられた作家である。それまで私は彼の作品はここでも紹介している「テロリストのパラソル」しか読んだことがなかった。
 電通に勤務しながら作家活動を続けていたときく。

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 どんなに芸術に疎い人でも、一度は耳にしたり、目にしたことがあるであろう、ゴッホの「ひまわり」。
 この作品には同名の作品が7枚あるそうだ。そのうちの一枚は戦時中の日本で焼失。もう一枚はバブル全盛期に日本の某生命会社がオークションで当時史上最高額で落札した。
 高校時代、早熟な芸術の才能を開花させ、その後デザイン会社に就職、独立した秋山秋二。しかし彼は7年前に妻を亡くしてから、銀座の真ん中に建つ古屋で、世捨て人同然の生活を送っていた。
 そんな彼の元に、真夜中かつての上司が訪れる。500万円という大金を持って。
 その元上司…村林は、秋山に一つの依頼を持ちかける。秋川の持つもう一つの異能を生かし、この500万円を今夜中にギャンブルで使い果たして欲しいというのだ。
 平板な変化のない生活に訪れた、一つの変化。それは池に投げ入れられた小石の波紋のように、彼の周りの状況を変えてゆく。


 この人の小説の特徴として……主人公は薄暗い過去を引きずった、大人になりきらない、頑固で廃頽的な社会不適合な中年…と、小娘の癖に妙に大人っぽくインテリで、主人公がかつて愛した女の面影がある女…が出てくるというのがありますねえ。
 男の人ってそんなに…昔の女が忘れられないものなのかなあ? それともそれは、作者自身の性質によるものなのかなあ?
 あと、やたらとセリフが長い~。質問もそうだけど、その質問に対する答えが回りくどくって……。プロットが緻密…といえばそうなのでしょうが、肝心の所は行間を読む必要があるんですよねえ。ああ、脳が痛い……。
 結局の所、回り回って主人公は、8枚目のゴッホの「ひまわり」を探すことになります。
 様々な人間の思惑、策略、関係、が入り混じって、ミステリの様相を呈しています。
 そんな中、主人公の興味はただ一つ……妻は何故自殺したのか?
 ……まあ、わからないのは気持ち悪いですが……ロマンティストだなあ……。未練がましいとも言えるかも知れないけど。
 あ、で別に作品自体を批判してるわけではないんですよ! グイグイ読ませる筆圧の高さは流石です!(こっちを先に言えよ!)
 あとちょっと気になったのが……ねえ、何でこの人の作品にはシレっと「ゲイ」が出てくるんだろうか(爆笑)。
 まあ、原田さんなら頷けなくもないが(私は原田ファン!)…しかしその相手がねえ……何で? 何であの人なの?? 
 わからないなあ………(汗)。

ひまわりの祝祭

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